コラム プロ野球番記者コラム 選手がベンチがスタンドが…野球は空気をつかむ競技

365日、球団に密着する日刊スポーツプロ野球担当記者がさまざまな話題を届けます。  5月から内勤が主になった。1週間もしないで分かった。野球は球場で見るに限る。...

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コラム プロ野球番記者コラム 選手がベンチがスタンドが…野球は空気をつかむ競技

365日、球団に密着する日刊スポーツプロ野球担当記者がさまざまな話題を届けます。
 5月から内勤が主になった。
1週間もしないで分かった。
野球は球場で見るに限る。
 毎日テレビでフルゲームを見るわけだが、得られる情報はそう多くない。
 主な構図であるセンターカメラからの映像では、配球の意図と、投手がどこまで要求に応えられているかまでしか分からない。
 スピードガン表示や配球図、今はボールの回転数などでも情報をアシストしているが、球場に行けばミットの音でボールの伸びが分かる。
テンポやロジンを触るしぐさで調子を推し量れる。
イニング間にベンチ前で行うキャッチボールも大事な情報。
自軍の攻撃によく目がいっている投手は、直後に崩れるケースが多い。
「援護が欲しい」という不安の裏返しが、無意識の行動となって表れている。
 得点圏に走者が進むとカメラが切り替わり、定位置からどのくらい守備陣形が動いているかを俯瞰で映すケースがある。
それでも、1球ごとに変わるベンチの深謀をつかむには、情報として足りない。
試合状況によって半歩の単位で指示を出す。
その半歩で打球に追いつき、アウトになったりする。
 評論家の三浦大輔氏は、野球という競技を「流れのスポーツ。
グラウンドに絶えず流れている勝負の空気を、どちらがつかむかを争っている」と説明したことがある。
「空気は見えないですね」「見えないけど、感覚としては確実にあるね。
スタンドを含めた空気、雰囲気をどうやってこちら側に持ってくるか。
ファンの声援もすごく大きい」。
球場に足を運ぶすべての人が空気を作り、空気は絶えず、どちらに流れようかと漂っている。
そこにいないと分かる訳がない。
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 15日は遅番のシフトだった。
昼下がり、日本ハム-西武が行われる東京ドームに行った。
 日本ハムの栗山監督は、練習前の囲み取材を1日も欠かしたことがない。
輪の大外で聞いていた。
目の前を杉谷が通った。
元気よくあいさつし「監督、関東はボクの地元です。
東京ドーム、神宮、横浜スタジアム、メットライフ、幕張だって。
どこでも使って下さい!」と笑わせた。
栗山監督は「どんな時も下を向かず、明るくハツラツとしていることって、野球に限らず大切だよね。
みんなもそうでしょう」と見渡して、清宮の話題に移っていった。
 清宮のフリー打撃を、三塁側カメラマン席の上方から見た。
東京ドームは今や最も狭い部類になったが、それにしても気持ちよく飛ばしていた。
特に逆方向が胸をすいた。
大谷も同じ所へ放り込んでいたっけ。
飛距離は遜色ない。
あのフリー打撃を見て、心躍らない人はいない。
気分よく会社へ向かった。
 テレビで清宮の二塁打を見た。
温かく育ててもらっている。
無安打が続いていたのは不調ではなく、単なる慣れの問題。
すぐ2号を打つだろうな。
いくつか思いが巡った。
やっぱり球場はいい。
 ◆宮下敬至99年入社。
04年の秋から野球部。
担当歴は横浜-巨人-楽天-巨人。
16年から遊軍。

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